この記事の要点
- 1月2日・3日が「箱根駅伝の日」となった歴史的背景
- 2026年第102回大会の優勝予想と5強の戦力分析
- 当日の先頭通過予想時刻と各区間の見どころ
- 繰り上げスタートや沿道応援マナーの最新情報
毎年1月2日と3日、テレビの前に釘付けになる光景が日本中で繰り広げられます。
東京から箱根を往復する217.1kmの道のりを、学生たちが襷をつなぎながら駆け抜ける箱根駅伝は、もはや正月の風物詩を超えた国民的行事です。
2026年の第102回大会は、青山学院大学の3連覇なるか、駒澤大学の王座奪還か、それとも新勢力の台頭か、かつてないほどの混戦模様となっています。
この記事では、箱根駅伝が正月に開催される歴史的な理由から、2026年最新の優勝予想、当日リアルタイムで確認したい通過予想時刻、そして沿道で応援する際の最新マナーまで、すべてを網羅してお届けします。
1月2日・3日は「箱根駅伝の日」!歴史の始まりと正月に走る理由
金栗四三が描いた夢「アメリカ大陸横断駅伝」の予選会として
箱根駅伝の誕生は1920年、大正9年まで遡ります。
日本マラソン界の父と呼ばれる金栗四三らが中心となり、世界に通用するランナーを育成するため、将来的な「アメリカ大陸横断駅伝」の実現を見据えた予選会として構想されたのが始まりでした。
つまり、箱根駅伝は単なる大学対抗戦として生まれたわけではなく、ロッキー山脈越えを想定した過酷なトレーニングの場として、天下の険・箱根の山が選ばれたのです。
この壮大なビジョンこそが、他の学生駅伝にはない「山登り」「山下り」という特殊区間を生み出し、100年以上にわたる数々のドラマの舞台を作り上げました。
第1回大会はわずか4校のみ!明治vs東京高師の逆転劇
記念すべき第1回大会に出場したのは、東京高等師範学校(現・筑波大学)、明治大学、早稲田大学、慶應義塾大学のわずか4校でした。
往路を制したのは明治大学でしたが、復路で東京高等師範学校が大逆転を果たし、初代王者の栄冠に輝きます。
優勝タイムは15時間5分16秒と、現在の記録(10時間台)と比較すると5時間近く遅く、当時の道路事情や装備の未発達さが伺えます。
しかし、この大会の成功が学生長距離界に与えた衝撃は大きく、翌年には7校、翌々年には10校へと参加校が急増していきました。
なぜ正月開催?視聴率30%超えの国民的行事への進化
箱根駅伝が正月に定着した背景には、学生の冬季休暇期間という実務的な理由もありますが、より大きいのは日本人の正月文化との親和性です。
新年を迎え、心を新たにするタイミングで、若者たちが限界に挑む姿を目にすることは、観る者の心に希望と勇気を与える特別な意味を持ちます。
テレビ中継が始まって以降、箱根駅伝は視聴率30%近くを記録する国民的行事へと成長しました。
正月三が日、家族が集まるリビングで、あるいはふるさとへの帰省中の車内で、箱根駅伝を観ることが日本の正月そのものとなったのです。
箱根駅伝の基礎データ
- 第1回大会は1920年、4校のみが参加
- アメリカ大陸横断駅伝の予選会という構想から誕生
- 往復217.1kmを10区間に分けて襷をつなぐ
- 正月開催が定着し視聴率30%超えの国民的行事に
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 【起源】開始年 | 1920年(大正9年) |
| 【目的】当初の構想 | 米国大陸横断駅伝予選 |
| 【参加】第1回出場校 | 4校のみ |
| 【記録】初代王者タイム | 15時間05分16秒 |
| 【現在】参加校数 | 20校+学連選抜 |
【2026年最新】第102回大会の見どころと優勝予想
青山学院大学「輝け大作戦」3連覇への執念と黒田朝日の破壊力
前回王者の青山学院大学は、原晋監督のもと「輝け大作戦」を掲げ、箱根駅伝3連覇、通算9度目の優勝を狙います。
前回優勝メンバー6人が卒業し戦力ダウンが懸念されましたが、11月のMARCH対抗戦では5人が10000mで27分台をマークするなど、驚異的なリカバリー力を見せつけました。
絶対的エースの黒田朝日(4年)は、前回2区で区間新記録に迫る1時間05分44秒を記録し、出雲・全日本でも区間賞を獲得しています。
今回も「花の2区」での起用が濃厚で、ここで主導権を握ることがチーム戦略の核となります。
復路の8区では塩出翔太(4年)が2年連続区間賞を獲得しており、後半区間に計算できる選手がいることは大きな武器です。
課題は5区「山登り」と6区「山下り」の経験者不在という点で、1年生の起用が避けられない状況ですが、原監督は「山で勝負が決まる」ことを理解しており、万全の準備を進めています。
駒澤大学「3本柱」による先行逃げ切り、王座奪還の青写真
駒澤大学は、学生長距離界最強クラスの「3本柱」を擁し、往路からの独走を狙います。
佐藤圭汰(4年)は怪我から復帰し、全日本大学駅伝で区間新記録を樹立した怪物ランナーで、往路の主要区間での起用が予想されます。
主将の山川拓馬(4年)は前回5区4位の実力者でありながら、「2区なら65分台、5区なら区間新」と豪語しており、彼の配置区間が他校の戦略を撹乱する要因となっています。
さらに6区「山下り」のスペシャリスト伊藤蒼唯(4年)は、前回区間歴代5位のタイムで激走しており、復路スタートの安定感は抜群です。
駒澤の戦略は明確で、この3枚看板で確実にリードを奪い、選手層の厚い中間層で逃げ切るプランです。
全日本大学駅伝での優勝が示すように、距離が伸びるほど強さを発揮するチーム特性は、箱根の長丁場において最大の武器となります。
中央・國學院・早稲田、ダークホースの台頭で5強時代へ
中央大学は、チーム上位10名の10000m平均タイムが史上初めて27分台に突入した「スピード軍団」です。
吉居駿恭(4年)が前回1区で区間賞を獲得したロケットスタートに加え、溜池一太(4年)は2区で日本記録更新を視野に入れており、往路の平地区間で圧倒的なリードを築く戦略です。
國學院大學は出雲駅伝を制した「つなぎの駅伝」の完成形で、絶対的な大エースこそ不在ですが、穴のない布陣が強みです。
野中恒亨(3年)は全日本3区で留学生を抑えて区間賞を獲得し、前田康弘監督は「往路での主導権」を掲げ、2区1時間6分30秒、5区71分台という具体的な数値目標を設定しています。
早稲田大学は選手層の薄さが課題ですが、エースの山口智規(4年)が1500mと5000mの学生二冠を達成し、出雲2区で区間賞を獲得するなど絶好調です。
「往路優勝」に照準を絞った一点突破の布陣で、伝統校の意地を見せます。
2026年優勝候補5強の特徴
- 青山学院:3連覇狙う黄金世代、2区黒田の破壊力
- 駒澤:3本柱による往路独走プラン
- 中央:史上最速スピード軍団、平地で圧倒
- 國學院:出雲王者の安定感、穴なき布陣
- 早稲田:往路一点突破、エース山口の爆発力
| 大学名 | 最大の武器 | 注目選手 |
|---|---|---|
| 【3連覇】青山学院 | 黒田2区の主導権 | 黒田朝日(4年) |
| 【王座奪還】駒澤 | 3本柱の破壊力 | 佐藤圭汰(4年) |
| 【高速化】中央 | 10名平均27分台 | 溜池一太(4年) |
| 【安定感】國學院 | 穴なき総合力 | 野中恒亨(3年) |
| 【伝統】早稲田 | 往路一点突破 | 山口智規(4年) |
【当日の観戦用】全10区間のコース特徴と先頭通過予想時刻
往路(1月2日)の5区間、スピードと山の激闘
1月2日の往路は、8時に大手町をスタートし、箱根芦ノ湖を目指す5区間です。
1区(21.3km)は「超高速の幕開け」と呼ばれ、平坦でスピードが出やすいコースです。
近年は六郷橋(18km付近)でのスパート合戦が定番となっており、ここで1分以上遅れると優勝は絶望的と言われるほど重要な区間です。
2区(23.1km)は各校のエースが集う「花の2区」で、最長かつ最難関区間です。
権太坂の登りとラスト3kmの「戸塚の壁」が選手を苦しめ、66分台なら合格、65分台ならエース級の証とされます。
3区(21.4km)は湘南バイパスを走る「湘南の風」区間で、相模湾沿いを走るため海風の影響を強く受けます。
4区(20.9km)は距離延長以降、重要度が増した「準エース区間」で、往路優勝を狙うチームはここに主力級を投入し、5区への貯金を作ります。
そして5区(20.8km)は標高差800m以上を駆け上がる「天下の険・山登り」で、「山の神」が降臨すれば数分差の大逆転も可能な最大の見せ場です。
復路(1月3日)の5区間、繰り上げスタートとの戦い
1月3日の復路は、往路優勝チームのフィニッシュ時刻を基準に箱根芦ノ湖をスタートします。
6区(20.8km)は早朝の凍結路面を平均時速25km近い猛スピードで駆け下りる「山下りのスペシャリスト」区間で、脚への負担は想像を絶します。
7区(21.3km)は日が昇り気温が上がる時間帯の「気温上昇との戦い」で、単独走になることが多くペース配分が難しい区間です。
8区(21.4km)は後半に待ち受ける遊行寺の坂が難所で、ここでブレーキを起こすとシード権争いから脱落します。
9区(23.1km)は2区の裏返し区間で「復路のエース区間」と呼ばれ、長距離かつタフなコースで優勝争い、シード権争いの決定的な差がつく場所です。
10区(23.0km)はビル風が強く吹く東京都心部を走る「歓喜と涙のフィナーレ」で、ゴール直前での逆転劇も数多く生まれています。
リアルタイム観戦に必須!先頭通過予想時刻一覧
当日、テレビやスマホで観戦する際の目安として、先頭チームの通過予想時刻を以下にまとめました。
天候が良好でハイペースな展開になった場合を想定しています。
往路は1月2日8時スタートで、鶴見中継所に9時01分頃、戸塚中継所に10時07分頃、平塚中継所に11時08分頃、小田原中継所に12時09分頃到着し、箱根芦ノ湖ゴールは13時20分頃の予想です。
復路は1月3日、往路優勝チームのフィニッシュ時刻を基準にスタート(8時スタートと想定)し、小田原中継所に8時58分頃、平塚中継所に10時01分頃、戸塚中継所に11時05分頃、鶴見中継所に12時13分頃到着し、大手町ゴールは13時22分頃の予想となります。
なお、往路優勝から10分以上遅れたチームは、8時10分に一斉スタート(繰り上げスタート)となります。
各区間の通過目安時刻
- 【往路1/2】鶴見9:01頃→戸塚10:07頃→平塚11:08頃→小田原12:09頃→箱根13:20頃
- 【復路1/3】箱根8:00頃→小田原8:58頃→平塚10:01頃→戸塚11:05頃→鶴見12:13頃→大手町13:22頃
- 繰り上げスタートの基準は先頭から10分以上の遅れ
- 天候や展開により時刻は前後する可能性あり
| 区間 | 距離 | 最大の見どころ |
|---|---|---|
| 【往路】1区 | 21.3km | 六郷橋スパート合戦 |
| 【往路】2区 | 23.1km | エース激突、戸塚の壁 |
| 【往路】5区 | 20.8km | 山の神降臨、大逆転劇 |
| 【復路】6区 | 20.8km | 時速25km山下り |
| 【復路】9区 | 23.1km | 優勝・シード権の分岐点 |
知っておくと感動が増す!「襷のルール」と沿道応援マナー
「白襷」の意味と繰り上げスタートが生む涙のドラマ
箱根駅伝の中継を観ていると、中継所で前走者の到着を待たずに次走者がスタートする「繰り上げスタート」の場面に遭遇します。
これは、先頭チームから一定時間(往路鶴見・戸塚は10分、その他は20分など)遅れた場合に適用されるルールです。
この際、次走者は大学独自の色の襷ではなく、大会本部が用意した「白襷」を掛けて走ることになります。
これはチームにとって「母校の襷が途切れる」ことを意味し、最大の屈辱かつ悲劇として捉えられています。
選手たちは涙を流しながらも、次の区間へ襷をつなぐために必死に走り続けます。
この姿こそが、箱根駅伝が単なる速さだけを競う競技ではなく、チームの絆と誇りを賭けた戦いであることを物語っています。
シード権争いという「もうひとつの優勝争い」の熾烈さ
総合順位10位以内の大学には、翌年大会への無条件出場権(シード権)が与えられます。
一方、11位以下の大学は、過酷な予選会(ハーフマラソン)を経て出場権を勝ち取らなければなりません。
この「天国と地獄」の境界線争いは、優勝争いと並ぶ大会のクライマックスであり、10区のゴール直前まで激しい順位変動が繰り広げられます。
数秒差でシード権を逃したチームの選手が、ゴール後に倒れ込んで号泣する姿は、観る者の心を強く揺さぶります。
箱根駅伝は、優勝を争うトップチームだけでなく、10位と11位を争うチームにも等しく感動のドラマが存在するのです。
沿道応援の最新マナー、のぼり旗・横断幕は全面禁止
現地で沿道応援を計画している方は、近年厳格化された応援マナーを必ず守る必要があります。
まず、のぼり旗・横断幕の掲出は、スタート・フィニッシュ地点、中継所の前後100m以内、および歩道橋上などで全面禁止されています。
ガードレールへのくくりつけも厳禁です。
車道への身の乗り出しも禁止で、選手は歩道ギリギリを走行するため、接触事故の危険性が極めて高くなります。
自撮り棒の使用、ペット連れ、ドローンの飛行も安全確保のため禁止されています。
東京農業大学の応援「大根踊り」は人気ですが、撮影のために通路を塞ぐ行為が問題視されており、周囲への配慮が必要です。
これらのマナー違反は、大学の応援団活動に制限がかかるなど、応援しているチームに迷惑をかける可能性があります。
ルールを守り、選手が安全に走れる環境を全員で作り上げることが、真の応援です。
沿道応援で絶対に守るべきこと
- のぼり旗・横断幕は中継所前後100m以内で掲出禁止
- 車道への身の乗り出し、自撮り棒の使用は厳禁
- ペット連れ、ドローン飛行は安全確保のため禁止
- 撮影時も通路を塞がず、周囲への配慮を徹底
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 【ルール】繰り上げスタート | 先頭から一定時間遅れで強制スタート |
| 【象徴】白襷 | 本部支給の襷、母校の襷が途切れた証 |
| 【目標】シード権 | 10位以内で翌年の予選会免除 |
| 【禁止】のぼり旗 | 中継所前後100m以内掲出不可 |
| 【禁止】車道乗り出し | 接触事故防止のため厳禁 |
1月2日・3日は箱根駅伝の日!:まとめ
1月2日と3日、箱根の山を舞台に繰り広げられる217.1kmの戦いは、100年以上の歴史の重みを背負いながら、毎年新たなドラマを生み出し続けています。
金栗四三が描いた壮大な夢は、今や日本の正月文化そのものとなり、視聴率30%を超える国民的行事へと進化しました。
2026年の第102回大会は、青山学院の3連覇なるか、駒澤の王座奪還か、それとも中央・國學院・早稲田の新勢力が歴史を塗り替えるのか、かつてないほどの混戦が予想されます。
各区間の特性を理解し、通過予想時刻を手元に置きながら、繰り上げスタートの涙やシード権争いの熾烈さに思いを馳せると、観戦の感動は何倍にも膨らむはずです。
あなたは今年、どの大学の、どの選手の走りに心を動かされるでしょうか。
母校への応援、憧れの選手への声援、あるいは初めて目にする大学の襷の色に惹かれるかもしれません。
テレビの前で、あるいは沿道で、102年目の箱根駅伝が刻む新たな歴史の目撃者となり、2026年の幕開けを彩る特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。