12月3日は、私たちの生活に密着したカレンダーや、娯楽としてのマジック、そして国際的な社会課題まで、非常に多岐にわたる記念日が集まっている日です。
特に日本においては、暦の大きな転換点となった歴史的な背景を持つ記念日があり、現在の私たちの時間感覚の基礎がこの日に作られたといっても過言ではありません。
また、エンターテインメントの分野でも、家庭用ゲーム機の歴史を塗り替えた製品の発売日として記憶されており、幅広い層の人々にとって特別な意味を持つ1日となっています。
冬の寒さが本格的になり、年末の足音が聞こえ始める時期ですが、この日に込められた意味を知ることで、日常の景色が少し違って見えるかもしれません。
それでは、12月3日を象徴する代表的な記念日について、その由来や背景を詳しく紐解いていきましょう。
12月3日は何の日？代表的な記念日・イベント
カレンダーの日
12月3日は、日本の生活に欠かせない「カレンダーの日」として制定されています。
この記念日の由来は、明治時代初期に行われた非常に大きな暦の変更にあります。
1872年（明治5年）の11月9日、当時の明治政府は突如として、それまでの「太陰太陽暦（旧暦）」を廃止し、西洋で使われていた「太陽暦（グレゴリオ暦）」を採用することを宣言しました。
そして、明治5年12月2日の翌日を、明治6年1月1日とすることに決めたのです。
この「旧暦の12月3日」が、新暦における「1月1日」という元旦になったという史実を記念して、全国団扇扇子カレンダー製造卸商組合連合会が1987年に制定しました。
この改暦は、当時の国民にとってあまりにも突然の出来事であり、大きな混乱を招きました。
政府がこのような強引な改暦を行った背景には、財政難があったと伝えられています。
旧暦のままでは明治6年に閏月があり、1年が13ヶ月になってしまうため、月給制に移行していた官吏への給料を1回分節約したかったという説が有力です。
しかし、この決断があったからこそ、日本は国際社会と同じ時間軸で歩むことができるようになりました。
カレンダーの日は、単に暦を祝うだけでなく、日本の近代化の歩みを振り返る日でもあるのです。
奇術の日（マジックの日）
12月3日は、不思議な驚きを提供してくれる「奇術の日」でもあります。
これは日本奇術協会が1990年に制定した記念日です。
日付の由来は非常にシンプルで、マジックを披露する際によく使われる掛け声「ワン、ツー、スリー」の語呂合わせに基づいています。
奇術、いわゆるマジックは、古くから人々の想像力を刺激し、世代を超えて愛されてきた伝統芸能の一つです。
日本においても江戸時代から「手妻（てづま）」や「品玉（しなだま）」と呼ばれ、独自の発展を遂げてきました。
この記念日には、マジックの魅力をより多くの人に知ってもらい、奇術界のさらなる発展を願うという意味が込められています。
全国各地でマジックショーが開催されたり、ボランティアによる奇術の披露が行われたりすることも多い日です。
最近ではテレビやSNSを通じて高度なテクニックを駆使するマジシャンたちが人気を集めていますが、原点にあるのは観客を喜ばせたいというサービス精神です。
12月3日には、身近な手品に挑戦してみたり、プロの鮮やかな技術を鑑賞したりして、日常の中の「非日常」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
12月3日に制定されたすべての記念日・イベント一覧
海外・国際的に定められた記念日
国際障害者デー
1992年の国連総会で採択された国際デーの一つです。
障害者問題への理解を深め、障害者が尊厳、権利、および幸福を享受できる社会の実現を目的としています。
世界各地で障害者の社会参加を促進するイベントや啓発活動が行われます。
日本国内で定められた記念日
妻の日
12月は1年の最後の月であり、3日は「サンクス（感謝）」の語呂合わせから、1年間家庭を支えてくれた妻に感謝を伝える日として凸版印刷が1995年に提唱しました。
感謝の言葉とともに贈り物を添える習慣を広めています。
みかんの日
「いい（11）みかん（3）」という語呂合わせの11月3日とともに、その1ヶ月後である12月3日も全国果実生産出荷安定基金と農林水産省が記念日に定めています。
こたつでみかんを楽しむ日本の冬の風習を象徴する日です。
個人タクシーの日
1959年12月3日、東京都において初めて個人タクシーの営業許可が下りたことを記念しています。
タクシー業界の健全な発展と、個人タクシーの利便性をアピールするために制定されました。
わらべうたの日
兵庫県多可町の「多可町余暇村公園」にある「わらべうたの殿堂」が制定。
1、2、3の掛け声がわらべうたの拍子にふさわしいことから選ばれました。
その他・民間企業や団体が制定した記念日
プレイステーションの日
1994年12月3日に、ソニー・コンピュータエンタテインメントから初代「PlayStation」が発売されたことを祝う日です。
家庭用ゲーム機の歴史において、3DCG技術を一般家庭に普及させた画期的な出来事でした。
着うたの日
2002年12月3日に、世界で初めて携帯電話向けに「着うた」サービスが開始されたことを記念して、株式会社レーベルゲートが制定しました。
音楽の楽しみ方に革命を起こした日として記録されています。
ひじきの日
「ひ（1）じ（2）き（3）」の語呂合わせから、日本ひじき協議会が制定しました。
鉄分や食物繊維が豊富なひじきの健康効果を広め、食卓に取り入れてもらうことを目的としています。
プレママの日
「いい（1）にんぷ（23）」の語呂合わせから、ベビー用品メーカーなどがプレママ（妊婦）を応援する日として制定。
マタニティライフを安心して過ごせる社会を目指しています。
12月3日に何があった？世界を動かした過去の出来事・事件
12月3日は、政治、科学、技術の各分野で、後の歴史に決定的な影響を与えた出来事が頻発しています。
冷戦の終結や医学の飛躍、あるいは大事故など、私たちが現在の世界を理解する上で避けては通れないトピックが並びます。
世界・海外の歴史的出来事・事件
マルタ会談による冷戦の終結（1989年）
1989年12月3日、地中海のマルタ島において、アメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領とソ連のミハイル・ゴルバチョフ書記長による首脳会談が行われました。
この会談において、第二次世界大戦後から40年以上にわたって続いていた「冷戦」の終結が公式に宣言されました。
当時はベルリンの壁が崩壊した直後であり、東欧諸国における民主化の波が急速に広がっていました。
二人の首脳は、相互不信の時代を終わらせ、平和な新しい国際秩序を構築することに合意したのです。
激しい嵐の中で船上にて行われたこの会談は、「ヤルタからマルタへ」というフレーズとともに語られ、20世紀最大の転換点の一つとなりました。
世界初のヒトからヒトへの心臓移植手術（1967年）
南アフリカ共和国のケープタウンにあるグルート・シュール病院において、外科医クリスチャン・バーナード博士が、世界で初めてヒトからヒトへの心臓移植手術に成功しました。
移植を受けたのは53歳の男性ルイス・ワシュカンスキーで、交通事故で亡くなった女性の心臓が移植されました。
手術自体は成功し、新しい心臓は脈打ち始めましたが、患者は18日後に肺炎で亡くなりました。
しかし、この手術は医学界に衝撃を与え、臓器移植という未知の領域への扉をこじ開けることになりました。
生命の尊厳や死の定義をめぐる倫理的な議論を巻き起こしつつも、現代の高度医療への道筋をつけた重要な歴史的事件です。
ボパール化学工場事故（1984年）
インドの中部ボパールにあるアメリカ資本の農薬工場から、猛毒のイソシアン酸メチルが漏洩するという大惨事が発生しました。
深夜の住宅街に流出したガスは、眠っていた多くの市民を襲い、即死者だけで数千人に達しました。
その後も後遺症で亡くなる人が絶えず、累計の死者は1万5千人から2万人を超えるといわれる、史上最悪の化学産業事故です。
企業の安全管理体制や、発展途上国における公害問題が厳しく問われる契機となりました。
現在もなお、現地では健康被害や環境汚染に苦しむ人々がおり、決して風化させてはならない記憶として刻まれています。
日本国内の歴史的出来事・事件
明治政府による改暦の布告（1872年）
1872年12月3日は、日本が旧暦から新暦（太陽暦）に切り替わったまさにその日そのものです。
前述の「カレンダーの日」の由来でもありますが、この日を境に日本人の「時間」の概念は根本から覆されました。
江戸時代までの日本は、月の満ち欠けに基づいた太陰太陽暦を使用していましたが、西洋諸国との交流が進む中で不都合が生じていました。
布告からわずか1ヶ月足らずで実行されたこの改革は、人々の日常生活に激震を走らせました。
伝統的な行事の日程がずれ、農作業のサイクルも変更を余儀なくされましたが、この決断が日本の近代国家としての体裁を整える一助となったことは間違いありません。
初代「PlayStation」の発売（1994年）
ソニー・コンピュータエンタテインメント（当時）が、家庭用ゲーム機「PlayStation」を日本国内で発売しました。
それまでのゲーム機は2Dのドット絵が主流でしたが、PlayStationは圧倒的な3DCG描写能力を誇り、ゲームの世界に立体的な臨場感をもたらしました。
「すべてのゲームは、ここに集まる。」というキャッチコピーとともに、多くのサードパーティーを巻き込み、ゲーム市場の覇権を握ることになります。
CD-ROMを採用したことで大容量のデータが扱えるようになり、映画のような演出が可能になったことも大きな特徴です。
この発売日は、日本のデジタルエンターテインメントが世界を席巻する象徴的な日となりました。
12月3日が誕生日の有名人：歴史人物から人気芸能人まで
12月3日は、表現力豊かな写真家や力強いスポーツ選手、そして個性的な俳優たちが多く誕生しています。
日本国内で生まれた著名人・芸能人
永井荷風（1879年）：小説家。耽美的な作風で知られ、『濹東綺譚』などの名作を残しました。
篠山紀信（1940年）：写真家。人物写真を中心に、時代のアイコンを切り取り続けた巨匠です。
長州力（1951年）：プロレスラー。「革命戦士」と呼ばれ、日本プロレス界に一時代を築きました。
今田耕司（1966年）：お笑いタレント、司会者。軽妙なトークと進行役としての実力で多くの番組を支えています。
高橋茂雄（1976年）：お笑いコンビ・サバンナ。特徴的なキャラクターとトーク術で人気を博しています。
壇蜜（1980年）：タレント、女優。その知的な立ち振る舞いと独特の魅力で注目を集めています。
入山杏奈（1995年）：女優、元AKB48。メキシコでの活動など、国際的なキャリアを築いています。
海外で生まれた著名人・歴史上の人物
ジャン＝リュック・ゴダール（1930年）：フランスの映画監督。ヌーヴェルヴァーグを代表する映像の革新者です。
オジー・オズボーン（1948年）：イギリスのミュージシャン。ヘヴィメタルの帝王として世界的な影響力を持ちます。
アマンダ・サイフリッド（1985年）：アメリカの女優。『マンマ・ミーア!』や『レ・ミゼラブル』などで知られています。
12月3日生まれのアニメキャラ
アニメや漫画の世界でも、12月3日は魅力的なキャラクターたちの誕生日として設定されています。
宮城リョータ（『SLAM DUNK』）：湘北高校バスケ部の切り込み隊長。小柄ながらも卓越したスピードとパスセンスを持つポイントガードです。
グイード・ミスタ（『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』）：スタンド「セックス・ピストルズ」を操る射撃手。4という数字を極端に嫌う性格が有名です。
マーリン（『七つの大罪』）：「暴食の罪」を背負う、ブリタニア一の魔術師。美しさと圧倒的な知性、そして神秘的な雰囲気を持つキャラクターです。
ワイパー（『ONE PIECE』）：空島スカイピアの戦士。一族の悲願を達成するために命を懸けて戦う、激しい気性の持ち主です。
三浦ハル（『家庭教師ヒットマンREBORN!』）：主人公を慕う元気で明るい少女。独自の感性と行動力で物語に華を添えます。
12月3日のバースデー情報
12月3日にまつわる花や石、色の情報は、贈り物や自分へのご褒美を選ぶ際の大切なヒントになります。
12月3日の誕生花と花言葉
ラベンダー
「沈黙」「期待」「不信感」といった多様な意味を持ちます。
「沈黙」は、ラベンダーの持つ鎮静効果が精神を落ち着かせることに由来しています。
リラックス効果が高いことで知られるこの花は、誰かに心の安らぎを願って贈るのに最適です。
カトレア
「優雅な貴婦人」「魔力」「成熟した大人の魅力」という言葉が添えられています。
花の女王とも称されるカトレアは、その圧倒的な存在感と華やかさで見る者を魅了します。
12月3日生まれの人が持つ品格や、内面からにじみ出る美しさを象徴するような花です。
12月3日の誕生石と石言葉
ホワイト・ジェダイト（白翡翠）
「浄化」「純粋」「幸運」という石言葉を持っています。
白翡翠は、心の淀みを清め、持ち主の本来の力を引き出す助けをしてくれると言われています。
誠実さを保ちたい時や、新しいスタートを切りたい時に身につけると良いエネルギーをもたらしてくれるでしょう。
タンザナイト
12月の誕生石としても有名なこの石は、「誇り高き人」「神秘」「冷静」を象徴します。
タンザニアの夜空のような深く美しい青紫色は、知的な落ち着きと自信を与えてくれます。
12月3日のバースデーカラーと誕生色
栗梅（くりうめ）
誕生色は、日本の伝統色でもある「栗梅」です。
赤みを含んだ落ち着いた茶色で、大地のような安定感と温かみを感じさせます。
色言葉は「着実」「現実的」「努力」で、目標に向かって一歩一歩進む力を表しています。
パーソナリティとしては、派手さよりも実利を重んじ、周囲からの信頼を勝ち取るタイプの人にふさわしい色です。
12月3日は何座？星座情報
12月3日に生まれた人は「射手座（いて座）」に属します。
射手座は火のエレメントを持つ星座であり、自由を愛し、常に理想を追い求める探究心の強さが特徴です。
楽観的でエネルギーに満ち溢れており、困難に直面しても持ち前の行動力で切り拓いていく力を持っています。
また、知的な刺激を求める傾向が強く、哲学的な思考や新しい知識を得ることに喜びを感じるタイプが多いでしょう。
その一方で、束縛を嫌うあまりに周囲との協調に苦労することもありますが、その裏表のない正直さは多くの人に愛されます。
【まとめ】12月3日何の日？振り返り
12月3日は、日本の「カレンダー」が新しく生まれ変わった記念すべき日であり、世界が冷戦の終結へと舵を切った歴史的な転換点でもあります。
同時に、マジックのような不思議な娯楽や、PlayStationのような革新的なテクノロジーが祝福される、非常に彩り豊かな1日です。
この日に生まれた人々もまた、自由で探究心に満ちた射手座の性質を持ち、それぞれの分野で独自の光を放っています。
何気なく過ごしているカレンダーの1ページですが、12月3日にはこれほどまでに深い歴史と多様な物語が詰まっています。
今日という日が、あなたにとって新しい発見や感謝に満ちた素晴らしい1日になることを願っています。
